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“環境配慮してますか?”は常識に。包装資材に求められる新基準

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環境配慮が企業活動の重要なテーマとなる中、包装資材においても「環境対応であること」を明示する工夫が求められています。

その一つが、資材や製品に付けられる「環境マーク」の活用です。環境マークは、製品や資材が一定の環境基準を満たしていることを示し、企業のESG・CSR方針を外部に伝える手段としても機能します。近年では、環境マークの有無が取引先の判断材料となるケースも増えており、提案時の差別化ポイントにもなるでしょう。

本記事では、環境マークの役割や種類、代表的なマークの意味、そして環境マーク付き資材を採用することで得られるメリットについて、分かりやすく解説します。

1. 環境マークとは?

ここでは、環境マークの役割や分類について詳しく見ていきましょう。

環境マークの役割

環境マークとは、製品やサービスが環境に配慮されていることを、消費者や事業者に対して分かりやすく示すための表示制度です。

特に包装資材の分野では、環境への負荷を減らす取り組みが重要視されており、環境マークはその取り組みの可視化と信頼性向上に大きく貢献しています。

環境マークの分類

各国の代表的な標準化機関によって構成されるISO(国際標準化機構)では、環境ラベルについての国際的な基準を定めており、大きく3つのタイプに分類しています。

ただし、この分類に当てはまらない環境ラベルも一部存在します。

エコラベル

(旧タイプI)

ISO14024に基づくマークで、第三者機関が定めた基準をクリアした製品に付与されます。

日本では「エコマーク」が代表例で、包装資材分野でも再生紙や植物由来プラスチックに対して認証が行われています。

自己宣言環境主張

(旧タイプII)

企業自身が自主的に環境配慮を表示するタイプで、リサイクルマークや「バイオマス○%配合」などが該当します。

透明性や根拠の提示が求められるものの、導入しやすさが特徴です。

環境製品宣言

(旧タイプIII)

環境負荷の定量的データに基づき、環境情報を開示する方式です。カーボンフットプリント(CFP)などが含まれます。

包装材の環境影響を科学的に示したい場合に活用されます。

2. 主要な環境マークと表示の意味

代表的な環境マークを紹介します。

以下では、代表的な環境マーク13種類を取り上げ、それぞれの意味や表示のポイントについて解説します。

エコマーク

エコマークは、製品やサービスのライフサイクル全体を通じて環境への負荷が少ないと認められたものに付与される、第三者認証によるタイプI環境ラベルです。

ISO14024に準拠し、商品ごとに設定された認定基準に基づき、(公財)日本環境協会が運営しています。認定には、資源採取・製造・使用・廃棄・リサイクルといった全過程を考慮した厳格な審査が行われ、環境負荷の少なさが定量的に評価されます。環境に配慮した製品選びを促す指標として、多くの企業・消費者に活用されています。

引用:エコマークについて | エコマーク事務局

バイオマスマーク

バイオマスマークは、生物由来の資源(バイオマス)を原料とする商品に付与される環境ラベルです。植物は光合成によりCO₂を吸収して成長するため、こうした原料から製造された製品を燃焼しても、地球全体のCO₂量に影響を与えない「カーボンニュートラル」の性質を持ちます。

バイオマスマークは、品質や安全性が基準を満たし、バイオマス原料の使用割合が10%以上であることが条件で、使用には審査委員会による認定が必要です。包装資材をはじめとした多様な製品に広がり、持続可能な社会の実現に貢献しています。

引用:バイオマスマーク | 一般社団法人日本有機資源協会

再生紙使用マーク

再生紙使用マークは、古紙パルプを100%使用した紙製品に表示される自主的な環境ラベルです。資源の有効活用や循環型社会の推進を可視化することができます。

このマークは、1995年から3R・資源循環推進フォーラム(旧ごみ減量化推進国民会議)により運営されており、印刷物や衛生用紙、紙製事務用品など幅広い紙製品に利用されています。製品にマークを表示する際の基準としては、「古紙を使用していること」「その配合率が適正に表示されていること」が求められます。

なお、第三者機関による認証を必要とせず、企業などが自主的に表示できる仕組みです。

引用:再生紙使用(R)マーク | 3R・資源循環推進フォーラム

FSC®認証制度(森林認証制度)

FSC®認証制度は、適切に管理された森林由来の製品であることを示す国際的な森林認証制度です。森林の保全や生物多様性、地域社会への配慮がなされた「森林管理(FM)認証」と、それらの木材が適切に流通したことを示す「加工・流通過程(CoC)認証」の2種類があります。

環境団体や林業者など多様な関係者で構成されるNPO「FSC」が運営しており、全世界で認証が広がっています。製品にFSCロゴを表示することで、持続可能な森林利用に貢献している証となります。

引用:FSC認証について | FSCジャパン

PEFC 森林認証プログラム(PROGRAMME FOR THE ENDORSEMENT OF FOREST CERTIFICATION SCHEMES)

PEFC森林認証プログラムは、持続可能な森林管理を国際的に保証する環境ラベルです。政府間で策定された基準にのっとって森林経営が行われていることを認証する「森林管理認証」と、認証された森林由来やリサイクル資源を使った製品に付与される「CoC認証」があります。

紙や木材などの林産品が対象で、70%以上が認証材で構成されている製品にマーク表示が認められます。森林資源や生態系、地域社会の保全に配慮した製品選びの目印となる国際的な仕組みです。

引用:国際森林認証制度SGEC/PEFCジャパン

グリーンマーク

グリーンマークは、古紙を一定割合以上使用して製造された紙製品に付与される環境ラベルです。原料に古紙を40%以上使用することが基本で、トイレットペーパーやコピー用紙など製品の種類に応じた基準が定められています。紙のリサイクル推進と古紙の利用拡大を目的としており、1981年から公益財団法人古紙再生促進センターによって運営されています。

マークの表示により、消費者が環境配慮型商品を選びやすくなり、資源循環型社会の実現に貢献しています。

引用:グリーンマーク | 公益財団法人古紙再生促進センター

プラマーク

プラマークは、プラスチック製の容器包装であることを示す識別表示マークです。資源有効利用促進法に基づき、2001年4月から表示が義務化されました。対象は、飲料用PETボトルなどを除いたプラスチック製の容器包装で、消費者による分別排出を助け、市区町村の分別収集やリサイクルを促進する目的があります。

なお、このマークは「リサイクルが可能かどうか」を示すものではなく、あくまで材質を識別するためのものです。再商品化義務とは別の制度で、小規模事業者などは一部義務が免除されています。

プラマークは、資源循環型社会の基盤を支える重要な仕組みの一つです。

引用:プラマークとは | プラスチック容器包装リサイクル推進協議会

紙製容器包装の識別マーク

紙マークは、紙製の容器包装であることを示す識別表示マークで、消費者が分別排出を行いやすくし、市町村による分別収集とリサイクルの促進を目的としています。

容器包装リサイクル法に基づき、2000年(平成12年)から家庭から排出される紙製容器包装のリサイクルが制度化されました。対象は、段ボールや飲料用紙容器を除いた、主として紙でできた包装資材です。プラスチックやアルミ箔といった異素材が含まれる複合素材でも、紙の割合がもっとも多ければ対象となります。

紙マークは、環境配慮と資源循環を支える重要な目印です。

引用:紙製容器包装とは | 紙製容器包装リサイクル推進協議会

アルミマーク

アルミマークは、飲料缶などの容器がアルミニウム製であることを示す識別表示マークです。「資源有効利用促進法」に基づき、2001年から表示が義務づけられており、消費者の分別排出を助け、市町村の分別収集・リサイクルを促進する目的があります。

炭酸飲料やビールなどに多く使われるアルミ缶に付けられ、スチール缶との識別を容易にします。2020年の制度改正では、識別マークのサイズが見直され、ほかのマークと統一された基準が設けられました。

アルミマークは、適切な分別と資源循環を促すための重要な目印です。

引用:識別表示マーク(アルミ・スチール)使用ガイドライン | 公益社団法人食品容器環境美化協会

PETボトルリサイクルマーク

PETボトルリサイクルマークは、PET(ポリエチレンテレフタレート)製の飲料や調味料容器に表示される識別マークで、再生資源としての分別回収を促進するために使われます。1993年6月から「資源有効利用促進法」により、飲料・しょうゆ・酒類などのPETボトルへの表示が義務づけられました。以降、制度の見直しにより対象品目が拡大され、牛乳容器(2007年)、しょうゆ加工品やノンオイルドレッシング(2008年)、アルコール発酵調味料(2017年)も対象に。

マークは消費者による正しい分別を助け、資源循環の基盤を支える重要な役割を果たしています。

引用:容器包装の識別表示マーク | PETボトルリサイクル推進協議会

カーボン・オフセット認証ラベル

カーボン・オフセット認証ラベルは、商品やイベント、サービスなどの活動において排出された温室効果ガスを、ほかの場所での排出削減によって埋め合わせ(オフセット)する取り組みが、環境省の基準に基づき第三者によって認証されたことを示すラベルです。2012年に制度が開始され、信頼性の高い温室効果ガス削減の可視化と普及を目的としています。

対象は商品の使用やイベント開催、企業活動など多岐にわたり、カーボン・ニュートラルな社会の実現に向けた一歩として、企業や個人の取り組みを後押しする重要な環境ラベルです。

引用:カーボン・オフセットとは | カーボンオフセット協会

国際エネルギースタープログラム

国際エネルギースタープログラムは、パソコンやディスプレイなどのオフィス機器において、省エネルギー性能に優れた製品を認証する国際的な環境ラベル制度です。日本、アメリカ、カナダ、スイス、台湾の5カ国・地域が協力して運営しており、日本では経済産業省が所管しています。

稼働時だけでなく、スリープモードやオフモード時の消費電力も評価対象とし、一定基準を満たした製品にマークが付与されます。事業者は登録と届け出を経て表示が可能となり、エネルギー効率の高い製品選びを促進する制度です。

引用:国際エネルギースタープログラムとは

生分解性プラマーク(生分解性プラ識別表示制度)

生分解性プラマークは、生分解性プラスチックが環境負荷を抑える素材として適切であることを示す認証マークです。ISO規格に準拠した生分解試験や安全性審査をクリアした製品に付与され、自然界で微生物により水とCO₂に分解される特性を生かし、廃棄物削減に貢献します。

この制度は、一般社団法人日本バイオプラスチック協会が運営しており、適正な使用法の普及と消費者への正しい理解の促進を目的としています。農業用資材や包装フィルム、日用品など幅広い製品に対応しています。

引用:生分解性プラ識別表示制度 | 日本バイオプラスチック協会

3. 環境マーク付き資材の採用メリット

環境問題への関心が高まる現代において、包装資材を含む製品の選定においても「環境配慮」が重要なキーワードとなっています。中でも、第三者による認証や基準に基づいた「環境マーク」が付与された資材を採用することは、企業にとって多くのメリットがあります。

ここでは、具体的にどのような効果が期待できるのかを3つの視点から解説します。

環境配慮への具体的アピールが可能に

環境マークの最大の特長は、環境に配慮した製品であることを客観的に示せる点にあります。例えば、日本で広く知られる「エコマーク」や「バイオマスマーク」は、定められた基準をクリアした資材にのみ与えられる信頼性の高い表示です。これらのマークがついた資材を使用することで、自社製品が環境に優しい選択肢であることを消費者や関係者に分かりやすく伝えることができます。

また、近年では製品に関する情報開示が重視されており、パッケージや販促物に環境マークを表示することで、サステナビリティへの取り組みを視覚的に訴求できるようになります。特に若年層や環境意識の高い層に対しては、「選ばれる理由」になることも多く、競合との差別化につながる要素にもなり得ます。

企業のESG・CSR方針を可視化できる

ESG(環境・社会・ガバナンス)やCSR(企業の社会的責任)への取り組みが、企業価値の向上や投資家からの評価にも直結するようになった昨今、環境マーク付き資材の導入は、その実践の一環として非常に効果的です。単に「環境配慮に取り組んでいます」と掲げるだけでなく、どのような資材を使い、どの基準をクリアしているかを明示することで、企業の姿勢や具体的な行動を社内外に示すことができます。

こうした透明性は、社員の意識向上にも寄与し、社内の環境マネジメントや持続可能なサプライチェーン構築にも好影響をもたらします。

さらに、サステナブル調達を重視する企業間取引においても、認証付き資材の使用は信頼性のあるパートナーとして選ばれる条件の一つになります。中長期的に見れば、環境マークの活用は、経営戦略の柱としても有効に機能するのです。

消費者・取引先の信頼獲得につながる

サステナビリティが「購買行動の意思決定要因」となりつつある今、環境マークは企業と顧客・取引先をつなぐ“信頼の証”として機能します。特にBtoC市場においては、消費者の多くが「環境に配慮された商品であるかどうか」を購入時の判断基準とする傾向にあり、環境認証付きの包装資材は、そのニーズに直接応えるものです。

一方で、BtoB取引においても、サステナビリティ評価は取引継続や新規取引の条件になっている場合が増えており、調達先選定のチェック項目として「使用資材の環境認証有無」が記載されるケースも珍しくありません。こうした背景からも、環境マーク付き資材の採用は、企業の信頼性を高める投資と捉えることができます。

また、展示会や商談、プレスリリースなどの対外発信の場面でも、「環境マーク取得済みの資材を使用している」という実績は大きなアピールポイントとなり、ブランド価値の向上に寄与します。

4. まとめ

環境問題への意識が高まる今、包装資材ディーラーにとって「環境対応」は避けて通れないテーマです。中でも、環境マークの活用は、取引先や消費者に対し「環境配慮型商品」であることを客観的に示す有効な手段です。

本記事では、環境マークの役割や種類、代表的な13のマークを紹介し、それらを採用することで得られる営業提案上の差別化メリットや企業信頼の向上効果について解説しました。

環境マークをうまく活用することで、

 ・商品・資材の付加価値を高め、

 ・自社のESG・CSR方針の可視化を実現し、

 ・消費者・取引先からの信頼を獲得できる

という3つの大きな利点があります。

今後、取引先から「環境対応資材はありますか?」と聞かれることは、ますます増えていくでしょう。そんなとき、環境マークの意味や種類を理解しておくことは、営業提案の強力な引き出しになります。「価格」だけではない選ばれる理由として、“環境マーク”をぜひ戦略的に取り入れてみてください。

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