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最近話題の「PFAS」とは? 人への健康リスクがある?? PFASフリー製品もご紹介!
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最近話題の「PFAS」 今後の動向は?
最近耳にする機会が増えてきた「PFAS」。
「なんとなく聞いたことがあるけど、いまいち何かわからない」
「人へのリスクがあるって聞いたことがあるけど・・・」という方もいるのではないでしょうか。
この記事では、「PFAS」とは何か、から人へのリスクについて、今後の動向、また「PFASフリー」製品のご紹介をしていきます。
今後、業界の話題に上がることも少なくないかもしれません。ぜひ業界トレンドの1つとして、ご覧ください。
PFASとは?
PFASとは、有機フッ素化合物の総称のことを指し、
強力な化学結合を持つため、分解されにくく「永遠の化学物質(Forever Chemicals)」とも呼ばれています。
身近なものに使用されているPFAS
実はPFASは、私たちの身近なものに多く使用されているのをご存知でしょうか。
中でも食品に関わる使用例としては、
・フライパンのフッ素加工剤
・ピザやハンバーガーなどの包装紙、パッケージ
が挙げられます。
他にも
・靴や衣類の撥水加工剤
・消火器に含まれる消火剤
・ファンデーションやリップ製品などの化粧品の成分
などがあり、幅広い製品に使用されているのがわかります。
PFASが問題視される理由
幅広い分野で使用され、万能と思われるPFAS。
ですが、「PFASは人体に悪影響を与える」という話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
実は、すべてのPFASが人体に有害であるわけではありません。
国際条約において有害のため規制されているのは、「PFOS」「PFOA」「PFHxS」及びそれらの関連物質の3物質群であり、以下のような人体への悪影響が指摘されています。
・発がん性
・ホルモンかく乱作用による甲状腺疾患やコレステロール値の上昇
・新生児の出生体重の減少
・妊婦の高血圧リスク上昇 など
特に発がん性について、WHO(世界保健機関)は、「PFOA」に関しては「発がん性がある」、「PFOS」に関しては「発がん性がある可能性がある」と評価し、「PFOA」は発がん性が最も高いグループに一づけられました。
PFASはすべてが有害であるわけではなく、一部のみが有害であるということを正しく理解することが大切です。
PFASに対する規制
一部のPFASが人体へ悪影響を及ぼすとされてから、世界各地でPFASに対する規制が進められています。
また、PFASと人体への影響の因果関係について現在も研究は進行中であり、今後も規制は厳しくなることが予想されます。
海外での規制の動き
①アメリカ
アメリカ環境保護庁(EPA)は、PFASの監視やリスク評価を進めており、飲料水の健康助言値の設定などの取り組みを行っています。
また、コロラド州では、2024年5月に「有機フッ素化合物の規制に関する法律」が成立。2026年1月1日以降、PFASを使用したクリーニング製品や調理器具などの販売、流通が禁止されることとなり、地域により厳格な規制が進んでいることがわかります。
②ヨーロッパ
EUは、REACH規則(化学物質の登録、要か、認可及び制限に関する規則)の下でPFASに関する規制を積極的に進めています。PFASを含む製品の製造や使用、販売を全面的に禁止する方針を示し、早ければ2025年にも決定する見込みです。
日本の規制
日本では、影響が大きいとされている「PFOS」「PFOA」について規制が行われています。「PFOS」は化審法により2010年から、「PFOA」はPOPs条約により2021年から製造や輸入、製品への使用が禁止されています。
また、厚生労働省は水道水に含まれる「PFOS」「PFOA」についても暫定目標値を定めています。ただ最近では、目標値を超えた検出例も出てきています。
今後海外での規制強化の動きがみられる中、日本の「PFAS」への規制の動きにも注目が高まります。
企業でも行われる規制
①マクドナルド
世界最大ファストフードチェーンである米国マクドナルドは、2021年1月「2025年までに全世界で使用する包装材からすべてのPFASを取り除くこと」を発表しました。背景として、「ビッグマック」の容器からPFASが検出されたことが大きなきっかけとなり、このような発表に至ったとされています。
②アマゾン
IT世界大手米国アマゾンは、2020年12月自社ブランドである「Amazon Kitchen」で使用される食品包装・容器でPFASを含む特定の化学物質の使用を禁止する利用規約を発表しました。有害性が問題されはじめていた当時の中では、いち早い対応であったと考えられています。
このように世界大手企業の動きにより、今後他企業でも何らかの動きが出てくるものとも考えられています。
PFASを使用しない製品のご紹介
ここまでは、PFASの基本や、人体へのリスク、各国の規制について解説していきました。
「PFAS」が一概に悪い物というわけではありませんが、人体へのリスクが考えられる以上、「PFASフリー」の製品を求める声も少なくありません。
ここからは、「PFASフリー」の製品を2つご紹介していきます。
王子エフテックス㈱ O-hajiki
食品用耐油紙には、有機フッ素化合物が広く使われていますが、これを含むPFASは欧米を中心に規制が強化されています。
「O-hajiki」は耐油性能を維持しつつも、「PFAS」を使用しない非フッ素耐油紙です。
王子グループのコーティング技術により紙素材で耐油性能を実現、また紙の表面へのラミネートもしていないため、環境にも配慮された商品といえます。
フライドポテトやハンバーガーなどのファストフード、洋菓子といった油分を多く含む食品の包装、敷紙等への利用が好適です。
日本製紙㈱ エコバリー・ブラウンエコバリー
エコバリー(F)シリーズは、PFASを含むフッ素系の耐油剤を使用せず、表面に特殊樹脂を塗工することで耐水・耐油・撥水性性能を実現した商品です。
片面に印刷用コート加工を施した「エコバリー(F)」と、表面は未晒しパルプ層で風合いを重視した「ブラウンエコバリー(F)」の2種類があります。
両製品ともにFSC認証紙であり、ラミネートフィルムなどが含まれていないため、リサイクルも容易で環境にも配慮された製品です。
用途としては、「惣菜やお弁当などの食品のパッケージ」や
さらには温度変化に強いことから「冷凍・冷蔵食品や電子レンジ、オーブンでの調理用のパッケージ」にも使用できます。
これまで、ラミネートフィルムやフッ素系耐油剤で、食品の油漏れや水分の漏れを防ぐ場合が一般的でしたが、
今後はエコバリーシリーズのような特殊樹脂加工された耐油原紙が広がりをみせていくかもしれません。
まずは「PFAS」への理解を深める
ここまで、PFASの基本から、リスク、規制、またPFASフリー商品の紹介を行っていきました。
まだまだ国内では認知度の低い「PFAS」ですが、今後海外の規制も強まる中、日本国内でも規制の動きが高められることも予想されます。
「PFAS」が一概に悪い物とは言えませんが、性質、リスク、使用されている製品などについてしっかりとまずは理解をすることが大切です。
今後の「PFAS」の動きにも注目が高まります。
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