【パックタイムスレポート】フードカルチャーの未来を考える──TechGALAサイドイベントから見えた、新しい消費体験のかたち
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2026年1月、「TechGALA Japan 2026」 のサイドイベントとして開催された「まるっと循環!食の未来会議:イノベーションとサステナブルを「おいしく」考える FOODBIZ CONNECT」。
本イベントでは、「フードカルチャーの未来」をテーマに、食と環境、消費者意識、そして新しい体験のあり方について、多角的な議論が交わされた。
本記事では、7名の登壇者によるセッション内容を振り返りながら、株式会社折兼が提案する新しい取り組み「ピクニックステーション」構想を軸に、これからのフードカルチャーの可能性を探っていく。
■登壇者(敬称略)
・滝川善貴(東京農業大学 非常勤講師)
・DOKKA vivid(夏明豊・菅内のど佳)
・永田秀和(中部リサイクル運動市民の会 代表理事/循環フェス名古屋主催)
・J7K6(SUN 代表 田中準也、MMOL Holdings 代表 河野貴伸)
・服部貞典(株式会社折兼ホールディングス)
1. 現代のフードカルチャーが抱える課題 ── プラスチック問題と「選ばれない」エコ
セッションの冒頭で語られたのは、現代のフードカルチャーが直面する環境課題、とりわけ使い捨てプラスチックの問題だ。
近年、プラスチック問題を解決すべく環境配慮型の容器として注目される「バガス容器」をはじめ、さまざまな代替素材が登場している。しかし実際の現場では、こうした環境配慮品が必ずしも積極的に採用されているとは言い難い。
その背景にあるのが、価格と消費者意識の壁である。
「高いから売れない。だから使わない」
これは、容器を購入する事業者側が長年抱えてきた、率直な実感だ。
一方で登壇者からは、こうした前提そのものを問い直す声も上がった。
「高くても売れるなら、使いたい」
──そのような未来を実現できないだろうか、という問題提起だ。
つまり課題は、環境配慮品そのものではなく、それを“選ばれるもの”にできていない社会構造にある。
この視点が、後半で語られる「ピクニックステーション」構想へとつながっていく。
2. 折兼が提案する新しい取り組み「ピクニックステーション」

「ピクニックステーション」とは何か
今回のイベントの中核となったのが、株式会社折兼が提案する新しい取り組み「ピクニックステーション」だ。
ピクニックステーションとは、街の中に“ピクニックを楽しむための拠点(ステーション)”をつくり、来場者に「まちピク(MACHIPIC)」という新しい食体験を楽しんでもらう試みである。
・サステナブルなピクニックグッズ
・気軽に手ぶらで
・人と人が集う
を掛け合わせ、消費そのものを体験として再設計することを目指している。
なぜ、ピクニックステーションをやるのか
その背景にあるのは、「生活者が、“高くてもエコな選択”を当たり前にする社会を実現したい」という株式会社折兼が描く未来像だ。
環境問題は、事業者だけが努力しても解決できない。最終的に選択するのは、生活者だ。
だからこそ、環境問題に取り組む事業者と、生活者が同じ体験を共有しながら、同じ方向を向く場が必要なのではないか。
その答えの一つが、ピクニックステーションだ。
何をするのか ──「サステナブルな消費体験」
ピクニックステーションで提供されるのは、単なる商品ではない。サステナブルな消費体験そのものだ。
環境配慮型の容器を「説明されて選ぶ」のではなく、自然な流れで「使ってみる」「心地よさを感じる」。
そうした体験を通じて、
・環境配慮品の認知向上
・“エコ=特別なもの”という意識の転換
を目指している。
さらに特徴的なのが、参加者によるUGC(ユーザー生成コンテンツ)を軸に、体験を世の中へ広げていく考え方だ。
イベントに参加した人が、自身の言葉や写真で発信する。そのリアルな体験が、次の共感を生み、循環していく。
ピクニックステーションは、そんな新しいサイクルの起点として構想されている。
3. 登壇者と考える「ピクニックステーション」

イベント当日は、7名の登壇者それぞれが自身の立場から、ピクニックステーションの可能性について語った。
フードビジネス、循環型社会、地域コミュニティ、カルチャーづくり──
視点は異なれど、共通していたのは「体験が人の意識を変える」という認識だ。
ある登壇者は、”環境にいいから選ぶ、ではなく、楽しいから選ぶ。その結果、環境にもいいという流れが理想だ”と語った。
また別の登壇者は、”街の中に“立ち寄れる余白”をつくることが、文化を育てる”と指摘する。
ピクニックステーションは、こうした意見を受け止めながら、単なる一過性のイベントではなく、フードカルチャーを育てる装置として進化していく可能性を感じさせた。
4. 今後の展望──“選ばれるエコ”を当たり前にするために
今回の「フードカルチャーの未来を考える」セッションを通じて見えてきたのは、環境配慮を“正しさ”だけで推し進める時代の限界だ。
プラスチック問題や代替素材の議論は進んでいる。しかし現場では依然として、「高いから使えない」という壁が立ちはだかる。その壁を越えるために必要なのは、価格差を埋める努力だけではない。“選びたくなる理由”をつくることだ。ピクニックステーションは、そのための実験的なフィールドといえるだろう。
サステナブルな容器を使うことが特別ではなく、環境配慮型の商品を選ぶことが誇らしいことでもなく、ただ「心地よい体験の一部」として自然に存在する世界。
その体験を共有し、参加者が自ら発信し、UGCとして広がっていく。体験が共感を生み、共感が次の選択を生む。そうした循環のサイクルが回り始めたとき、「高くてもエコを選ぶ」ことは、特別な行動ではなくなるはずだ。
事業者だけが努力するのではなく、生活者とともに同じ未来を目指す。ピクニックステーションは、その共創モデルの第一歩である。
フードカルチャーの未来は、制度や素材の進化だけでは変わらない。人の意識と体験が変わったとき、はじめて文化として定着する。
TechGALA 2026のサイドイベントは、その兆しを感じさせる場となった。
株式会社折兼が描く次の一手が、どのように街に広がり、どのような新しい選択を生み出すのか。
そして今、この挑戦は次のフェーズへ進もうとしている。
2026年4月18日(土)の循環フェス名古屋では、共創型企画"ピクニックステーション"の実施が決定している。
ピクニックステーション構想に共感し、「ともに新しいフードカルチャーを創りたい」「サステナブルな選択が当たり前になる社会を実現したい」そう考える企業様・団体様を、株式会社折兼は広く募集しているそうだ。
環境に取り組む事業者と、未来を選ぶ消費者が出会う場を、ともに創り上げていく。この新しい循環の輪に、ぜひ参画してほしい。
パックタイムス編集部としても、その広がりを後押ししていきたい。
<ピクニックステーション構想に関するお問い合わせ先>
株式会社折兼ホールディングス
広報担当:五味
TEL:052-561-3662
Email:a-kono@orikane.co.jp
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